KSFとは
KSFとは、Key Success Factorの略で、日本語では「重要成功要因」「成功の主要因」と訳されます。
事業戦略におけるKSFとは企業やチームが目標達成のために何をすれば成功に導けるのかを考える上で最も重要な要因のことです。
「KSF」と「KFS」と「CSF」の違い
KSF:Key Success Factor(キー サクセス ファクター)
KFS:Key Factor for Success(キー ファクター フォー サクセス)
CSF:Critical Success Factor(クリティカル サクセス ファクター)
KSFもKFSもCSFもすべて同じ意味を持つ言葉です。「重要成功要因」とか「成功の主要因」と表現されます。
企業や組織によりどれが使われるか分かりませんので一応3つとも押さえておきましょう。
なぜKSF(重要成功要因)を正しく設定することが重要なのか?
KSFを正しく設定するメリット!!
- KSFを定めることで明確なゴールKGI(やるべき目標)を設定できる
- やるべき目標(KGI)が明確になって経営のスピードがあがる。
- チーム全員が向かうべき方向が明確になり目標達成のために何をすればいいのか迷わずに行動できます。
KSFの算出分析の例
それではどのように分析すればKSFを導き出せるのか例を使って解説していきます。
メリットだけ分かっても、KSFの算出の仕方がわからなければ意味がありません。経営センスのある人や圧倒的な経験を積んでいる人は直観的にKSFを見抜くことができるかもしれませんが、そうじゃない人でも事業を成功させられるようなKSFを導き出すことができるフレームワークがあります。
そのフレームワークが※3C分析です。
※3C分析とは:ビジネスを行っていく上で市場の関係性を理解するためによく使われるフレームワークです。
下記の3つの頭文字から3C分析といいます。3C分析は考える順番が決まっているので覚えておきましょう。
必ずこの順番で分析をしてください。
- Customer:市場・顧客の分析
⇓
- Competitor:競合の分析
⇓
- Company:自社の分析
なぜこの順番で分析しないといけないのかというと自社のKSF(重要成功要因)から考えてしまうと分析する必要のない情報まで算出してしまい無駄な時間がかかってしまうからです。
市場・顧客や競合の情報収集した後で、自社は何ができるのか強みや弱みを考えると最短でKSFを算出できます。
それでは3つの視点からわかりやすく例題を踏まえて3C分析を使ってKSFを考えていきます。
Customer | 市場・顧客 | あなたの事業に関わる市場や顧客の分析調査 |
Competitor | 競合 | あなたの事業の競合他社はこの市場でどのような働きをしているのか? |
Company | 自社 | 自社は何が得意なのか?どのような強みがあるのか?苦手分野は?上記を踏まえて自社は何をすれば成功できるか要因を見つける。 |
Customer (市場・顧客)
- まずは市場の分析から
美容室の場合近くにどれくらい美容室があるのかと、どのような単価の美容室が多いのか。
例)駅近くに大手チェーン店のカット3000円から4000円くらいのお店が2店舗あり1000円カットが3店舗ある。
- そして顧客の分析
どの様な層が住んでいるのかをタイプ別に分ける必要があります。
例)最寄り駅は住宅街で、ファミリータイプのマンションも立ち並ぶ場所なので、独身者より家庭を持った層が多くいる。子供も多くいる。大学が近くにあり学生も多めなど。その地域に当てはまる立地条件と住民層を把握しましょう。
次に自分の店に来店してくれるお客さんの特徴は何か。
お客さんの特徴
1. 20代から40代の男性多め
2. 子供連れのお母さんがよく来る
3. カラーやパーマよりもカットのお客さんが多い
4. 基本地元のお客さん
※上記を踏まえてどんなお客さんに来てほしいのか、どんな層を狙って集客していくことが売上につながるのかターゲット層が決まります。。
これらを明確にすることで市場・顧客の分析ができます。
Competitor (競合)
- 競合の分析
例)最寄駅周辺には他にどのような美容室がありますか。
例)周囲の美容室ではどのような特徴・傾向が見られますか。
まずは上記の例を意識して競合(大手チェーン店と格安1000円カットのお店)の特徴を細分化して考えます。
〇大手チェーン店のカット3000円から4000円くらいのお店の特徴
強み
1. 広いスペースの店が多いのでスタッフも多く待ち時間や予約が取れないことが少ない。
2. カラーやパーマなども仕入れが多い分コスパがいい。
3. スタッフが多いのでいつでも賑わっていて、活気がある
弱み
1. スタイリストの入れ替えがよくあるのでいつも同じスタイリストに頼めない。
2. 一度でできる施術のお客さんが多いため他のお客さんの応対で落ち着かない
3. 1人のスタッフがすべてを担当することが少なく気疲れする。
〇格安1000円カットのお店の特徴
強み
1. 価格が安い
2. 時間がかからない
3. 予約がいらない
弱み
1. カット以外できないためカラーやパーマが必要な人には向かない
2. 休日や時間帯によって2時間待ちもある。
3. リラックス空間や過剰なサービスはない。
※このように店舗によって同じ業種でも強みと弱みがかなり違ってきます。
また男性と女性でも好まれる内装や雰囲気も違ってきます。
他にも施術中によく話すのが好きな人もいれば会話が不得意で静かに施術を受けるのを好む人もいます。
このように競合を分析して市場を理解することによって同じ業種でもどのジャンルがブルーオーシャン(勝てる分野)なのかが分かりどんな強みを訴えて集客すればいいのかはっきりターゲットを決められます。
ターゲットがはっきりしない限りどんな強みを訴えて集客すればいいのかの軸を決めることはできません。
ですので競合の分析はとてもとても大事なことなんです。
Company (自社)
市場・顧客の分析、競合の分析を踏まえ他の美容室にはない自社の特徴は何ですか。
逆に他社に対して弱みのようなものはありますか。
どのようなサービスやメニューを提供すれば顧客のニーズを満たし差別化もできるのでしょうか。
ターゲットが求めていて競合店に無いあなたの強みを見つけながら下記の取り組み方を見てみてください。
特徴
強み
1. 同じ人が担当するので美容師とお客様の好みなどのイメージの共有がしやすい。
2. 親身になって髪の相談にのってくれる。
3. 慣れているので細かい要望を言いやすい。
4. 予約制なので順番待ちもないので落ち着いた雰囲気で施術が受けられる
弱み
1. 体調を崩したり休養が入った場合信用を失う。変わりがいない。
2. 急なお客さんに対応できない
3. スタッフが少ないため予約が取りづらい。
※市場・顧客の分析、競合の分析と自店の強み・弱みを踏まえ私の視点ですがKSF(重要成功要因)を洗い出してみました。
1. ゆっくりできるメニュー作成
2. ターゲット層の選定
3. リピート率を高める(顧客満足度)
4. 失客率の解消を減らす(お客様の不満をアンケートに取り自店の強みに変えられる方法を探る)
5. お母さんと子供のセット料金を作ってみる。(子供連れでも来店しやすい環境作り)
このKSFの中から2つか3つお客様に分かりやすく打ち出し他店とはここが違うんだとアプローチしてみましょう。
●まとめ
どんな顧客がいるかその顧客が求めているものは何か?を書いて、
どんな競合がいるかその競合は誰にどんなサービスを提供しているかを書く、
最後に自店の強みや弱みを書く。
そしてそこから顧客が求めていながら競合が提供していないものを見つけ出す。
この見つかった重要な要因がKSFです。
このKSFを自店に取り入れます。
ぜひ、美容室を出店したり、現状集客ができていないようならこの3C分析をやってみてください。
KPIとは意味をわかりやすく!例からKPIの失敗しない設定方法まで3ステップで簡単に解説!!
KGIとは意味をわかりやすく!例からKGIの設定の方法まで簡単に解説!!